- 2017/08/31
コスモスの十字架
モア(あるいはモーアー)と呼ばれる機械があります。
マリオカートの車体の腹に、高速回転する刃が付いる、要は草刈り機ですね。
農業は雑草との戦いです。
このように、坐って走りまわるだけで草刈りが完了するというのはスバラシイことです。さて、この文明の利器にて農園の草刈りを終えたワタクシ、ワイナリーに帰投せんと急な山道を走っておりました。
すると、路肩にも夏草が繁茂しているのが目に入ります。
コスモスのような花も盛りに咲いておりますが、それを覆うように蔓草が乱れておりました。
帰り道のついでではありますし、この機械でガガーと刈ってやるかとカートごと草の中に飛び込みました。
うーむ、コスモスの花はこれ、植えているのだろうか?
ま、しかし雑草の勢力も強く、これは刈るべきだろう。一瞬自問自答した後、このようにしてやりました。
翌日。
「あそこのコスモス刈っちゃった?」
と上司からの質問が。
「あれはねえ、御前さんが植えているんだよ」
なんと、あのコスモスみたいなヤツ(っていうかコスモスですね)によって雑草を抑えているそうな。
もうすぐ種が出来て、また春になると芽をふいて・・・という完璧なサイクルが出来上がっていたらしい。これはいけません。
出勤してきた御前さんに平謝りです。昨日惨状を目撃し、すでに怒りのピークを通過して、なんとか平静を保ってらっしゃるといったご様子。
「もうエエんやで。忘れてください」(←関西人)と力なくおっしゃる。そりゃあ、手塩にかけた花畑を機械で蹂躙されたら、ペットを惨殺されたような心境になりますよね。
許しの言葉とは裏腹に、次の春、コスモスが咲くまで許されないような、そんな雰囲気の本日の職場でありました。
まさ
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