今日の製造現場
- 2017/08/22
発酵の話
少し更新の間が空いてしまいました。
さてさて、先日はブドウをプレスする話を書きました。
今回のお話は発酵です。食品が微生物の活動で変質し、それが人間に有用であれば発酵と呼びばれ、イヤな感じであれば腐敗と言われるのは皆様ご存じの通り。
ブドウの搾り汁をワインへと変える微生物は酵母菌。
中でもSaccharomyces cerevisiae(サッカロマイシス・セルベシエ)という種類の酵母がアルコール発酵の担い手です。ワイン醸造では、自然酵母を使って発酵させることもありますが、ほとんどは培養された酵母を購入して使います。
ちょど、パンを焼くときのイーストと同じで、糠臭い茶色い粉です。
これを水でもどしてフヤかしてからタンクに投入します。
これが発酵中のジュースです。
分かりにくいですが、泡が湧き出て、盛んに対流しています。
これは酵母が元気に活動している証拠。
酵母は果汁中の糖を代謝して、アルコールと共に二酸化炭素を生成します。ブクブクと泡が出ていると「お、元気だな」と思います。
発酵が早く進み過ぎないよう、温度を15度ぐらいに設定し、発酵速度を監視しながら温度を調整します。
発酵の進み具合をチェックするための機器が、この比重計。
アルコールは水より軽いので、発酵が進むにつれて日々ジュースの比重が軽くなります。
発酵中のジュースを味見するシカノ氏。
甘くて冷たくて、シュワシュワ泡まで出ているので、結構おいしいのです。今年も良いデラウエアができそうです。
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