• シャトー酒折ワイナリーからお届けするワイン生産者の”ナマ”の声が満載のブログです。

今日の製造現場
  • 2009/01/30
  • こちとら日本人なんじゃい!!!

  • 突然ですが。

    皆さん、ワインをどう呼んでいますか?

    「葡萄酒」と呼んでいる人はあまり見かけません

    この「葡萄酒」、世界各国それぞれの国で呼ばれ方が違います。
    英語では wine(ワイン) 、フランス語だと Vin(ヴァン) 、イタリア語では Vino(ヴィーノ)、ドイツ語では wein(ヴァイン)と呼ばれているそうです。
    更にスペインでは イタリアと同じく Vino(ヴィーノ)、ポルトガルでは Vihno(ヴィーニョ)と言うそうですよ。


    私、ちょっと思ったんですが、何で日本ではワインなんでしょう?
    『葡萄酒』のほうが、日本っぽくないですか?

    他の国では、独自の呼び方があるのに…。

    語源からいけば、全部ラテン語の "Vinum"(ヴィヌム)から派生したものらしいです。
    ラテン語で葡萄の木の事を "vitis"(ヴィティス) といい、それから造ったお酒というのが "Vinum" だそうです。

    …私は、ラテン語に馴染みがないからあまりピンときませんが、やはり気になる!
    日本での ワイン or 葡萄酒。

    外来品だから、外来語で呼んでいるんですかね?

    英語読みで通じているのが、なるほど、日本だな。って思います(笑)

  • 何でもかんでも横文字にすりゃ良いってもんじゃないぞ!!!!

    て、ことで、荻原さんの葡萄園を案内して頂いた時の実体験をもとに…。

    『フィロキセラの予防の為の接ぎ木』というお話。

    …フィロキセラ?何だっけ…???

    『葡萄の根っこにつく、アブラムシのこと』というのを言われ、やっと思い出す…。
    もう…。何でアブラムシが『フィロキセラ』なんて大層な呼び方かな!!
    って、思いました。

    ついでに、フィロキセラについて、調べてみました。

    このフィロキセラという害虫は日本語では「ぶどう根アブラムシ」といい、その名の如くワイン用の葡萄の木の根についてやがて葡萄の木を枯らしてしまいます。

    ヨーロッパで栽培されていたのは、ヴィテス・ヴィニフェラという品種でした。

    しかし、1864年。
    新大陸(アメリカ大陸)に自生していた新たな品種を、研究用の為に輸入したらしいです。

    ところが!!!!

    この新葡萄品種にくっついてきた害虫まで輸入!
    まあ、アブラムシっていうくらいですから、小さくて気にも留めなかったんでしょうね。きっと…。

    で。

    で!!!!

    ヨーロッパでフィロキセラ大活躍!!!

    当時、ヨーロッパにはこの害虫は全く居なかったんです。
    その為、葡萄の木にはコイツに免疫がなかった…。

    このため、ヨーロッパのワインは壊滅的な打撃を受けます。

    しかーも!!

    アメリカ原産の葡萄は折角輸入したものの結局ワインには向かない葡萄だったという残念な結果。
    害虫のフィロキセラを輸入しただけという結果に終ってしまいます。

    まさに、災難!!
    泣きっ面に蜂!!!!!


    一方、アメリカではカリフォルニアワインの父と讃えられるアゴストン・ハラジーがヨーロッパ品種の葡萄をカリフォルニアで栽培しワイン生産を広めていました。

    そして皮肉なことにアメリカ原産のフィロキセラは同じアメリカ大陸ではなくヨーロッパを経由してカリフォルニアにやって来ます。
    ホームに戻ってきたフィロキセラは、ここでも大暴れ!!壊滅的な打撃を被ります。

    さて、このフィロキセラ、結局はこの害虫に対し抵抗力のあるアメリカ原産葡萄の一部(ヴィティス・リパリアなど)にヨーロッパのワイン向き葡萄品種(ヴィティス・ヴィニフェラ)の枝を接ぎ木する事により解決しました。
    以後、現在に至るまで世界中のワイン用葡萄はこの方法で栽培されているんです。



    … … …
    … … … …アブラムシのくせに!!!!!!って感じです。

    横文字が苦手な私は、和名の方が覚えやすいです…。

    でも、そんなこと言ったらシャトー酒折は、『木下さん家の葡萄酒醸造所 酒折』って感じになるんですかね?

    …なんか嫌ですね(笑)

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